よく『スピンってどうやって掛けるんですか?』って聞かれます。やっぱり皆さんスピン掛けたいんですね。
ただ、その人の打球を見ていると実はスピンが掛かっているということもよくあります。最近のラケットは自然にスピン掛けてくれますからね。
おそらく、もっと極端なスピン、それこそナダルのようなスピンを想像しているのだと思うのですが、さすがにそのレベルになるとフィジカル的なことや練習量も必要になってきます。
『そんなこと分かってる、でも、週一しか練習できないんだ!』という方も多いと思います。そんな方にスピンを打つポイントや勝手にスピンが掛かるようになる魔法のようなグッズまでご紹介したいと思います。
スイングとボールの関係
まず、大原則なのですが、
- ボールはスイングの方向に回転が掛かり、
- 面の方向に飛ぶ
つまり、トップスピン(ストローク)を打つためには、 面は前(相手コート)を向いたままで下から上にスイングする 必要があるということです。
『下から上にスイング』と言いましたが、それだけでは前に飛ばないので、当然、前に振りながら下から上にスイングします。この『後ろから前のスイング』と『下から上のスイング』の割合で威力重視だったり回転重視だったり状況に応じて弾道とスピードをコントロールします。
と、言葉でいくら言ってもイメージ湧きませんよね。
スピン練習のイメトレに最適な動画
ということでスピン練習のイメトレに最適な動画をご紹介します。
まずはナダルの練習動画から。ちょっと古い動画ですがスピンの感覚が良く分かると思います。
こちらの記事でも紹介していますので、あわせて読んでみてください。
こちらはもう少し最近のもの。
ラケットがボールの下から入って上にスイングされているのが良く分かりますね。
スピンが掛かるメカニズム
先ほど説明した大原則と共に覚えておいてほしいのがスピンが掛かるメカニズムです。
スピンがかかるメカニズムとしては、以下の2つを挙げることができます。
- ボールとストリングの摩擦
- スナップバック
当然、摩擦は大きい方がスピン掛かりやすいですよね。では、スナップバックとは何なのでしょうか?
スナップバックとは?
スナップバックというのは、ボールとの摩擦によりずれた縦糸が元に戻る動きのことで、この動きが大きくなることにより、スピンがかかりやすくなります。更に、振動吸収性もよくなり打球感もよくなります。
分かりやすい動画がありましたのでご紹介します。
ボールが当たった瞬間、ガットが下にずれて、それが戻る力で回転が掛かっているのが分かりますね。これがスナップバックです。
ということで、ボールとストリングの摩擦、スナップバックの両方を大きくすることができれば、よりヘビーなスピンを掛けることができるようになります。
ボールとストリングの摩擦を大きくする方法
では、ボールとストリングの摩擦を大きくするにはどうすればよいのでしょうか?
いくつか方法があるので、ここでは3つ紹介したいと思います。
引っ掛かりの良いストリングを使用する
一つ目は引っ掛かりの良いストリングを使用する方法です。いわゆる変形ガット、多角形ガットというやつです。
このブログでも過去にいくつかご紹介しています。
多角形ガットの効果は本当に高く、めちゃくちゃスピンが掛かるようになります。
個人的にはピラミッドが最高なんですが、最近はリアル店舗で見かけることが少なくなってしまいました。
ネットで買って自分で張るか、リアル店舗に持ち込むかですね。ちょっと張り代高くなっちゃいますが。
ただ、それをする価値のあるガットだと思うので、ぜひ一度試してみてください。
太いストリングを使用する
太ゲージのガットを使用しても摩擦を大きくすることができます。最近は自分的にこの太ゲージがお気に入りで、スピンの増加とともに打球感もすごくよくなります。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
X-ONE BIPHASE 1.30は本当に凄まじくスピンが掛かりました。バウンドしてから加速しているのが自分からもわかるくらいです。
こうなると1.34も使ってみたいのですが、ピラミッド同様、こちらもリアル店舗ではあまり扱っておらず、発注しないといけないのが面倒です。リアル店舗にも置いてくれないかな。
ボールを潰して打つ
最後はボールを潰して打つ!です。
『ボールを潰して打つと言われても意味が分からない』という方はこちらの動画を観てください。
すごく潰れているでしょ?
このように潰して打つことで、ボールとガットの接触面積が増え(というかめり込んでますね)、すさまじいスピンが掛かります。
では、どうやったらこんなにボールを潰せるのでしょうか?参考になりそうな記事を2つご紹介します。
かなり練習が必要だと思いますが、ぜひチャレンジしてみてください。
スナップバックを大きくする方法
次はスナップバックを大きくする方法です。
その前に、今使っているラケットのガット(ストリングス)を見てみてください。縦糸がゆがんでませんか?
それをまっすぐに戻そうとするとガットがギシギシ、ガシガシ鳴っていませんか?
この状態ではストリングがスムーズに動くことができず、スナップバックが小さくなります。
つまり、回転が掛からない(掛かりにくい)ということです。
では、スナップバックを大きくするためには何をすればいいのか?そう、ガットがスムーズに動くようにしてあげればいいのです。
実はこのスナップバックを大きくするのはとても簡単で、潤滑剤を塗ってあげるだけでOKです。
といってもKURE556を塗っちゃだめですよ!ちゃんとガット用の潤滑剤が販売されていますのでそれを使いましょう!
この中でも使いやすさで言うとスピンプラス2がダントツです。ただし、乾くまで待たないといけないので、そういう意味で言うと塗った後すぐに使えるミラフィットもいいですね。
これらを塗ることでストリングの可動性が上がり、スナップバックが大きくなってスピンが掛かりやすくなるというわけです。
スピンが掛かりやすくなるだけではなく、振動吸収性が良くなったり、打球感もマイルドになったりといいことづくめですので、ぜひ試してみてほしい逸品です。
スピンの掛かりやすいラケットを使う
最後にご紹介するのはスピンの掛かりやすいラケットです。
最近は勝手にスピンが掛かるラケットもあってスピンを掛けるハードルがめちゃくちゃ低くなっています。
Yonex VCORE 100
最初にご紹介するのは Yonex VCORE 100 です。
こいつはマジで勝手にスピンが掛かります。まさに全自動!
DUNLOP SX300 TOUR
次にご紹介するのは DUNLOP SX300 TOURです。
このラケットは本当にすごく、もともとスピンが掛かりやすく作ってあるうえに弾道補正機能なるものが搭載されています。
弾道補正機能というのはボールがネットしそうな場合は自動的にボールを持ち上げてくれて、アウトしそうなときには逆に弾道を低くしてくれるという凄まじい機能です。
もう少し軽い SX300 もあるので、スピンを掛けたい方にはぜひ試してもらいたい一本です。
Babolat PURE AERO 98
こちらも定番スピンラケットな Babolat PURE AERO 98 です。
ただ、こちらのラケットは上で紹介した2本のように『勝手にスピンが掛かる』というよりは、『もともとスピンを掛けることができる人が使うとよりスピンが掛かる』という感じです。
3本ともすさまじくおすすめなのでぜひ試してみてください。
スピンを打てるようになろう!
スピンを打つための基礎知識、練習法、グッズなどをご紹介しました。
まずは練習不要、低コストなスピンプラス2やミラフィットを試してみるのが良いのではないでしょうか。
ぜひぜひこの記事を参考にしてスピンをマスターしてください。