最近、格上の方と打つ機会もありパワー不足を感じ始めました。ということで各メーカーのパワー系ラケットを試しています。
今回はTecnifibre (テクニファイバー)の TF-X1 v2 300 を試してみました。
Tecnifibre TF-X1 v2 300 の特徴
TF-X1と言えばその特徴はやっぱり X-DAMP ですね。X-DAMP はグリップエンドに取り付けられているパーツがラケットがボールとインパクトするときに生じる振動を打ち消す振動を発生することで、手に来る悪い振動を劇的に小さくすることができるというものです。
もちろん、テクニファイバーラケットの一番の特徴ともいえると Isoflex も搭載されています。Isoflexはストリングの可動域を均一化することで、言ってみればフェイス全体をスイートエリア化するというすごい機能です。
詳しくはこちらの動画をどうぞ。
X-DAMP のおかげで、ポリを張っても身体に優しいそうです。スピンやボールスピードを考えるとポリを張りたいのですが、やっぱりちょっと身体への負担が大きいので、それでポリを敬遠していた方にはとてもよさそうです。
体勢を崩されてもエースが取れる!
実際に打ってみると確かに振動が少ない!ほんの少し打っただけで分かる腕へのやさしさ!!
更にパワーも充分!当てただけでもかなり勢いのあるボールが打てます。
一番驚いたのが体勢を崩されたところからどうにか当てたときのボールの伸び!かなり差し込まれて後ろ足体重でどうにか返したという状況なのに、打った本人が驚くほどの鋭いボールが返ってエースを取ることができました。
マジで全身スイートエリア!
格上の相手と打ち合う場合にとても心強い相棒になってくれそうです。
その点はとても素晴らしいラケットなのですが、いくつか今一つな点も。
一つ目が打球感。振動が少ないことの裏返しかもしれませんが、打球感がとても鈍い。この辺りは好みの問題だと思いますが、僕はダイレクトな打球感が好きなのでこの打球感はいまいち。
二つ目が振りぬき。ちょっと振りぬきが悪くて、ヘッドが走らない感じを受けました。TF-X1と重さもバランスも同じ DUNLPO FX 500 はめちゃくちゃ振りぬきがよかったので、TF-X1も同じくらいの振りぬきの良さを期待していたのですが、TF-X1は全然ヘッドが走らない。
実際のラリーでは、なぜかコントロールが定まらず狙ったよりもかなり右側(僕は右利きです)に飛んでいくことが何度もありました。多分、ヘッドが走らず振り遅れの状態になっていたのだと思います。
最後にスピードボールが打ちにくい。なぜか、パワーがボールに伝わらない感じがします。当てていくとそれなりのスピードで飛んでくれますし、そのおかげで差し込まれたり体勢を崩された状態からでも攻撃できるのですが、自分から打ち込みに行こうとすると思ったより球威が出ない印象です。
もちろん、これらはラケットとスイングの相性もありますし、僕の技術不足という面も大きいと思いますので、実際に打って確かめてみてください。
ボレーもパワフルだけど打球感が・・・
ボレーも充分なパワーがあっていい感じ。なのですが、打球感がいまいち。
ストロークでは柔らかく感じた打球感ですが、ボレーでは結構腕にガツンときます。
それだけではなく、打球音も金属的な音がします。一昔前の高反発ラケットにあったキンキンカンカンという感じ。
X-DUMP はボレーではあまり有効ではないのかもしれませんね。これは残念。
繰り返しになりますが、スイングや技術によっては違う印象を受けるかもしれないので、実際に確かめてみてほしいです。
レビュー動画
こちらは V1 のレビュー動画ですが、 TF-X1 v2 300 の中身は v1 と同じなので参考になると思います。
この動画でも『ヘッドを走らせるよりもラケット全体で押し出す方が合っている』と言ってますね。やっぱりスイングの相性があるみたいです。
『頑張ってボレーしない方がいい球がいく』という感想はほんとうにその通りです。上にも書いた通り、自分から打とうとすると思ったよりいい球にならないんですよ。逆に追い込まれた場合などは思ったよりもはるかにいいボールが飛びます。
あと、やっぱりボレーのときにちょっと金属のような音がしてますよね。
着実なプレーをする方に最適!
追い込まれたところから鋭いボールが返ってくれるのはこのラケットの最大の特徴だと思います。
自分からガンガン打っていくよりは、着実に返球してプレースメントで勝負する方に最適なラケットだと思います。
どこからでも、どんな体勢からでも安定して返球したい、そんな方はぜひ一度試してみてほしいです。